クランポンスクールでは、思考力・判断力・表現力を磨くためのオリジナル問題を用意しています。
算数・数学的思考力の時間には「算数・数学思考力検定」、教科横断的思考力表現力の時間には習熟度に応じて「作文検定」もしくは「日本語文章能力検定」を受検します。
検定の準拠教材や、市販のテキスト等も採用していますが、必要に応じて、オリジナル問題も用意しています。
今回は、特徴的な問題を2問、ご紹介します。
まずは、小学2~3年生向けの教科横断的思考力表現力で出題したものです。
問一:次のうち、河原町電停からクランポンスクールまでの道順の説明として最もわかりやすいものに丸をつけましょう。
( ) 河原町の電停から、まっすぐ歩いて、次の角を右に曲がります。
つき当たりの右側がクランポンスクールです。
( ) あぎゃん行って、右行って、こぎゃん行ったらつくもんね。簡単たい。
( ) 河原町の電停から、市電沿いに熊本駅方面に歩き、肥後銀行と駐車場のあいだの道を右に曲がります。
つき当たりの右側、空色の建物の一階がクランポンスクールです。
真ん中の選択肢に失笑が漏れていました。
でも、こんな説明をする方、熊本には多いですよね?(そんなことありませんか?)
児童の答えは、1つ目の選択肢と3つ目の選択肢に分かれました。
その後、「キミが選んだ道順の説明は、どんなところが良い(優れている)と思いますか?友達に説明しましょう。」という発問をしました。
児童A「3つ目の答えは『熊本駅方面』とか『肥後銀行』とか、かっこいい言葉が多いからわかりやすい!」
講師「かっこいい言葉??かっこいい言葉ってどういうこと?」
講師「あぎゃん、こぎゃんって言葉はかっこよくないの?」
ここから、「具体的な説明が必要」という結論に達しました。
「熊本駅方面」「肥後銀行」といった言葉(=固有名詞)を使うと具体的になってわかりやすい、ということです。
次に、小学1年生向けの算数思考力で出題した問題です。
問二:ぼくと妹とお兄ちゃんとお母さんとお父さんとおじいさんとおばあさんといとこ2人でレストランに行き、ごはんをたべました。
ハンバーグをたのんだ人は3人、カレーをたのんだ人は1人でした。
おじいさんはかつ丼をたのみました。
こどもたちは、デザートもたのみました。
ハンバーグではないごはん(食事のメニュー)をたのんだ人は何人ですか。
場面を想像することができれば、登場人物が9人だとわかります。
また、ハンバーグを頼んだのは3人なので、9から3を引くだけの問題です。
ところが、デザートやかつ丼など、余分な情報がたくさん含まれています。
そのため、子どもたちは問題文の読み取りに苦労します。
実は、使わない情報をあえて提示する、こういったいじわるな文章問題が最近増えているのです。
ここでは、あえて「いじわるな」と書きました。
さて、実際に「いじわる」でしょうか?
世の中には、必要な情報とそうでない情報、たくさんの情報があふれています。
実際に計算しなければならないシチュエーションでは、まず「どの情報を使って計算するのか」判断する必要があります。
なかには、「『へる』や『ちがい』が書いてあったら引き算」「出てくる数字を拾って引けばいい」などと思っている児童がいます。
そうした認識では、上記の問題は解けません。
プログラムのなかでは、板書を用いてシチュエーションを確認します。
その様子は、途中まで、算数の授業というより、国語の授業かもしれません。
しかし、これこそが「社会に開かれた」学習ではないでしょうか?
学校で扱うものより、難しいかもしれません。
しかしながら、そのコンセプトは、新学習指導要領の考えに忠実に作成しています。
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