「解き方を教えない」授業

お名前を冠した問題集が人気だという、算数の有名講師の著作を読んでみました。

なるほど。わかりやすい記述で、この方の授業は人気があるだろうなぁと納得。

 

また、この講師がなさっている工夫は、クランポンで実践しているものと重なる点も多く、共感も多いものでした。

例えば、授業で「解き方を教えない」というポイントがあります。

 

今回は、解き方、とくに公式を教えないという点について、クランポンスクールの数学プログラムの様子をご紹介します。

 

ある県の公立高校入試過去問題を参考にしたものです。

〇相似な二つの立体A、Bの表面積の比が16:9である。Aの体積は192立方センチメートル。Bの体積は?

という問い。

辺の比がm:nのとき、面積の比は(mの2乗):(nの2乗)、 体積の比は(mの3乗):(nの3乗) ということがわかっていれば、何ともない問題ですね。

でも、これを暗記するだけじゃつまらないですね。

クランポンスクールの思考力プログラムでは、そういった暗記はしません。

まずは、立方体の積み木8コで作った立方体(青)と、27コで作った立方体(黄・緑)を比較するところから。

積み木の1辺が1センチだとすると、表面積や体積はどうなるかな?というところから板書にまとめます。

すると、辺の比がm:nのとき、面積の比は(mの2乗):(nの2乗)、 体積の比は(mの3乗):(nの3乗) というルールが成り立つと気づくことができました。

「平方センチメートル」の右上の2乗、「立方センチメートル」の右上の3乗ってこういうことだったんだ!ということに。

そこで初めて、自ら気づいたルールをまとめます。(板書、緑色の字の部分)

 

始めから、「辺の比がm:nのとき、面積の比は(mの2乗):(nの2乗)、 体積の比は(mの3乗):(nの3乗) なんだよ」と教えるほうが、講師としては楽かもしれません。

「あーイライラするっ。もう一回考えさせて!」なんて言っている中学生を励まし、連日じっくりつきあうのは、なかなか根気もいるものです笑

でも、このイライラがわかる喜びにつながるわけです。

 

板書してくれた彼は、このあとホワイトボードをスマホで撮影していました。

横でわたしは、「苦労しながら導きだしたんだから、ただ解き方をおぼえるのと違って忘れないんじゃない?」

「それに、もしも忘れたら、このときのプロセスをたどってもう一回導けばいいだけだよ。それがキミにはできるでしょ?」

なんて言いながら、しばらく待機しておりました。

 

出題し、ひとりひとりの理解度をチェックして、適切な励ましの言葉をかける。これがわたしたち講師の役割です。

解き方を見つけ出し、身につけるのは彼ら自身です。

 

冒頭にあげた例の本には、「保護者が先回りして解き方を教え、おぼえこませるようなことをしてはいけない」といったことが書かれていました。

まさにそのとおり。

でも、保護者としてはそれをやっちゃったほうがはやいし、楽なんですよねぇ。

その気持ちもとてもよくわかります。

 

そこはぐっと我慢。「急がば回れ」です。

ご家庭もわたしたち講師も「今、課題が終わる」ではなく「将来、できる子に育てる」ための伴走をしていきましょう!

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