マシュマロ実験、乗り切れるかな?

「生きる力」は96年に文部省の中央教育審議会が提示した考えだそうですが、この20年間大切だと言われ続けながらいまいちはっきりしない概念でした。
当時の文科省の発表を確認すると、「自分で課題を見つけ、自ら学び、自ら考え、主体的に判断し、行動し、よりよく問題を解決する能力」「自らを律しつつ、他人と協調し、他人を思いやる心や感動する心など豊かな人間性とたくましく生きるための健康や体力」とのこと。
そういわれてもピンとこないですよね。
「生きる力」って何?どうやって伸ばすの?を、この20年間、わたしたちは模索し続けてきたように思います。

そこに近年、「GRIT」「非認知能力」といったことが話題にのぼるようになり、こういった力はトレーニングによって鍛えることのできる「生きる力」の1つであると考えられるようになってきたようです。

「GRIT」は、Guts(度胸)、Resilience(復元力)、Initiative(自発性)、Tenacity(執念)の頭文字をとったもので、世界の成功者が兼ね備えている能力。
「非認知能力」は、自己認識、意欲、忍耐力、自制心、メタ認知、社会的適性、回復力と対処能力、創造性など、IQテストでは計測できない能力の総称。

これでもまだ曖昧な点が残るとは思いますが、「生きる力」と比べると明確です。

 

とくに、「非認知能力」はマシュマロ実験と共に有名になったように思います。

マシュマロ実験は、コロンビア大学のミシェル教授が186人の4歳児の自制心を計測したものです。
子どもにマシュマロを1つ渡し、「いつ食べてもいいけれど、次におとなが戻ってくるまでガマンできたら2つもらえるよ」と言うのです。
この結果、15分待てた子どもは約3分の1で、高校生になったときには大きな学力差が生じており、SAT(大学進学適性試験)でも平均210点という大きな差が生じたそうです。
40年後の追跡調査においても、社会的ステータスに優位な差があることが確認されたといいます。
つまり、就学前における自制心の有無は数十年を経た後も持続しており、成功の要因になるということです。

最近は、より大規模な実験で再現に失敗したという報道もありますが、自制心が成功の重要な要素であること自体を否定するものではないでしょう。

そこで、実際に、小学2年生にマシュマロ実験の話をしたうえで、お菓子を与えてみました。
先に話しているわけですから、同じ条件の実験とはいえません。
ガマンする力を試されているのだということがわかっているので、当然のようにじっと待つことができました。

この経験は、自制心のチェックというより、メタ認知のきっかけになるのではないかと思います。

何かを実行している自分に頭の中で働く「もう一人の自分」を「メタ認知」といいます。
小学校中学年頃から発達していくようです。
肯定的なメタ認知は、幅広い学習に有効だといわれています。(奈良教育大学のホームページが詳しいです。)

マシュマロ実験をなぞることで、「ガマンする力」「自制心」という言葉を獲得します。
じっとガマンする15分間に、自分の弱さと向き合うことが、今後の学習にもよい影響を与えるのでは?と考えられるわけです。

15分で済みます。ぜひ、ご家庭でもマシュマロ実験を親子でなぞってみてはいかがでしょうか?

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