クランポンスクールでは、作文検定や文章読解作文能力検定を実施しており、作文にも力を入れています。
とくに特徴的なのは、実際にお通いのお子さまの原稿をもとにした作文添削問題ではないでしょうか。
一般的な作文指導は、作文を書いて提出、指導者が添削して返却という流れではないでしょうか。
当スクールでは、そういった流れをとることもありますが、みんなで添削の時間をとることも多いです。
例えば、今回の問題。
問題にするために少し改変していますが、実際に提出された作文がベースになっています。
(クラスのなかで「このクラスのお友達が書いた作文をもとにしているけれど、問題にするために少しだけ書き直させてもらったよ」と説明しています。)
例えば、↑のような問題です。
今回のメインテーマは、「意味段落を形成すること」と「具体例を書くこと」です。
とくに具体例は最近よく扱っているテーマです。
また、学習の過程で新しい技「ナンバリング」についても学習しました。
この作文は、車の悪いところと電車のよいところが交互に書かれていたので、これをまとめてみるとすっきりするのでは?というのがポイントです。
問2はそれに気づくためのもの。
並び替えると、「チャイルドシートに小さい子を乗せるのが面倒」「車酔いする」「お母さんに待たされる」という3つが「車の悪いところ」で、「席を譲り合う文化」と「窓の大きさ」の2つが「電車の良いところ」であるということになり、わかりやすくなります。
実際に書き直す作業をすることで、知識としての習得に留まらず、使える技術になっていきます。
書き直すだけじゃつまらないなあ、今日も作文を書きたいなあという気持ちがそろそろ満ちてくるころかな?ということで、後半にそういった問題を配置しました。
問8には「問題文を読んで」と書かれているので、旅行などの体験談(具体例)を入れるべきだった!ということに。
教室では、「電車を使ってよかった~と思ったことや、車に乗ってよかった~と思ったこと、ある?いつ?」といった問いかけから、体験談を引き出していきました。
その結果出てきた、問9の解答を二つご紹介します。
1人目の作品。
車で2じかんねれたんだ。福岡に行くときにだ。でもしんかんせんじゃねれないんだ。30分だけだ。
新幹線と車を比べたとき、車のほうが所要時間が長いので、その分たくさん寝られるということですね。
車でたっぷり寝られた喜びが伝わる詩のような作文になっています。
2人目の作品。
ぼくは車のほうがいいのだ。なぜなら車でねたら目てきちについたらおこされるけど、電車はおこしてくれないから。車のほうがすきだ。
話を聞いてみると、車の場合(自分では運転できないので)おうちの方と一緒に移動することが前提となり、電車の場合は一人で市電に乗ることを想定しているようでした。
作文を書く前の話し合いの段階では「一人で鶴屋に行くとき、電車で寝てしまって降りるのがギリギリになった」という具体的なエピソードを披露してくれていました。それを作文にしっかり書けると、具体性が増して更によい作文になりそうです。
自分が書いた作文が添削されて戻ってくるだけでは、それを一読して終わりにしてしまいがちです。
どう書き直すとわかりやすくなるだろう?どこに加筆するべきだろう?ということを、会話しながら考え、実際に手を動かして書き直すことで、定着率が高くなるのではないでしょうか。
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